人口珪砂製造装置
人口珪砂製造装置
本技術の人口珪砂は、シリカが主成分である廃ガラスを材料として、低エネルギー・低コストの独自の製造技術であるミルサイザーによって粒径が5ミリ以下で、エッジレスで、透水性が高く、有機物の混在物が無い不活性な性質を持つ自然由来の砂と同等の性状を持つ人工珪砂のことである。
この装置により製造された人口珪砂は、(株)あさひがシリカグラスサンドの商標権を取得中である。
本技術の製造に用いる装置は、ローターの高速回転を利用した独自技術であり、連続的に厚さ20mmまでのガラスを処理し効率よく造粒砂を製造することが可能である。
さらに、砂を用いて「干潟・浅場の再生」することによる環境への効果については一般的に以下の通りである(出典:水産庁HP「干潟の働きと現状」より抜粋)。
【水質の浄化】
チッソ・リンの吸収による富栄養化の防止(微少藻類)
ろ過食性動物による有機物の除去(二枚貝類)
脱窒による窒素の除去(バクテリア)
【生物多様性の維持】
多様な生物種の保全(干潟固有の生物)
幼稚仔の保育場の提供
鳥類への餌場・休息場の提供
【海岸線の保全(波浪の抑制)】
【環境学習(干潟生物・鳥類の観察)】
【保養(潮干狩りなど)】
本技術である人工珪砂は、自然由来の砂と変わらない性状を持つことから、一般的に言われている上記のような効果が期待できるものである。
特に環境省ETV事業により実証試験の結果、干潟の表面に着生する微細藻類は、多くの底生生物のエサとして利用され、さらに干出した場所では底生生物がチドリなどの鳥類のエサになるため、エコトーンにおける健全な物質循環が創出される。また、水質に着目すると、砂の間を通過する際に濾過された有機懸濁物質などは、バクテリアや底生生物による分解、貝類による濾過、藻類による固定、鳥類や魚類による搬出等を通じて有機物や窒素・りんが除去されている。これらの機能はいずれも生物の代謝(摂食、摂餌、呼吸、同化等)により発現されることから、干潟・藻場という基盤に生物が豊かに存在することによりその機能が支えられているといえる。
仕様について
本技術(人口珪砂製造技術)の人口珪砂の仕様は以下の通りである。
粒径:5mm以下(粒度調整可能)
主成分: SiO2(二酸化ケイ素) 72%、Na2O(酸化ナトリウム)14%、CaO(酸化カルシウム)10%、MgO(酸化マグネシウム)2%、Al2O3(酸化アルミニウム)1%、
その他稀少成分:K2O(酸化カリウム)、MnO(酸化マンガン)、SO3(酸化イオウ)、SrO(酸化ストロンチウム)、TiO2(酸化チタン)
比重:2.5トン/m3
色:無色(原料となる廃ガラスの種類で色別調整可能)
用途:干潟・浅場造成材、覆砂材、コンクリート用補助骨材、道路舗装工事用材料(光る道路)、排水用材料、水耕栽培、浄化槽用途、ゴルフ場のバンカー、人工ぐり石 など
その他:エッジレス、無害
製造装置の仕様は以下の通りである。
処理可能なガラスの最大サイズ:150mmまで
処理可能なガラス厚さ:20mmまで
平均粉砕処理量:1トン/時間 (但し、最大2トンの処理実績あり)
粉砕後の粒度分布:5mm以下の砂状
ローターの回転数:1800rpm
稼動時の騒音:約72db(実績値)
電気容量:22kw(4P:AC220V)
オプションとして集塵機が必要(5.5kw:基準風量が40m3/分が必要);粉砕時に発生するパウダーの回収用
ガラス瓶のリサイクルについて
⇒キャップ、ラベル等の異物は紙や樹脂であるためプレダスターの上部から集塵機で吸引されるかガラスのように細粒かしないためプレダスターの下部の篩網で分別。
⇒瓶内の残留物が液体であればミルサイザー内部で遠心力で飛散し内部の熱エネルギーにより加温され蒸発除去され、臭気も集塵機のバグフィルターで除去。
⇒プレダスター内の微粉パウダー捕集用ダクトから集塵機によって吸引することによりパウダーとガラス砂の回収口を別に持って処理。
⇒集塵機は汎用集塵機で基準風量は40m3/分。標準的な濾布はポリエステル製のフェルトタイプで4ユニットあり。濾過面積は16m2である。ダストボックスは直下にあって差圧信号で濾布の清掃を表示。
装置の特徴
コンパクトな設計により省スペースが実現
シンプルな構造でメンテナンスが簡単
装置を運搬輸送、組み立てが容易に可能
安全衛生上は、大気は粉じん対策。振動は防振対策。騒音は遮音対策を必要とする。
前後に破砕機や篩装置などを設置し破砕から分級までワンラインの工程設計が可能。
各種ガラス(板ガラス、複層ガラス、自動車、建築、太陽光パネル、瓶ガラスなど)に破砕機と直結化してガラスリサイクルの実現を可能としている