GReATプロジェクト
GReATプロジェクト
これは、平成24年度の環境省の環境研究総合推進費補助金事業に採択された向こう3年間の助成事業プロジェクトである。
本プロジェクトの概要
廃ガラスの高度リサイクルに関する技術開発を、運搬、解体、分別、分離、原料化、製品化を担う異業種の企業が協働して行い、これまで廃棄されていた使用済ガラスを再生利用できるサプライチェーンを構築します。
本プロジェクトの開発主体
本提案は、ガラスリサイクルのサプライチェーンを担う、各地の中小企業による共同開発プロジェクトです。
本プロジェクトの背景
日本では液晶用で約3万トン、自動車用で約12万トンの廃ガラスが毎年排出されていると推計され、うちリサイクルされるのはごくわずか。
日本のテレビ市場は、ブラウン管タイプから液晶中心とするフラットタイプに移行。
すでに普及しているパソコン用と併せて、液晶ガラスのリサイクルの確立が急務。
2005年に施行された自動車リサイクル法では、2015年に車輛の重量比で95%をリサイクルすることが目標とされているが、現在のリサイクル率は85%程度である。
ガラスの再資源化で率は3ポイント向上可能。
太陽光パネル、建築ガラス、蛍光灯ガラス、食器ガラス等のリサイクル率も低迷。
上記ガラスリサイクルの一層の発展のためには、ガラス製品の解体技術、分離技術、分別技術、原料化技術、製品化技術の全てが同時に揃い、質の高いリサイクルが担保されている必要がある。
本プロジェクトの目的
- 廃ガラスに関する以下の技術を開発し、これらを統合化したガラス再資源化の循環型モデルシステムを構築する
- 分離技術
- 中間処理技術
- 運搬技術
- 原料加工技術
- ガラス再資源化製品製造技術
- 上流(廃ガラス収集)から下流(ガラス再資源化商品の開発・製造)を通し、商業ベースで成り立つ効率的なサプライチェーンのモデルを構築する。
- 使用済ガラス製品のリサイクルを促進するとともに、製品ライフサイクルのCO2排出量を抑制し、循環型社会・低炭素社会の構築に寄与する。
本プロジェクトが対象とする廃棄物
廃液晶ガラス(GML) :家電リサイクル法関連 廃自動車ガラス(GMV):自動車リサイクル法関連 廃ブラウン管ガラス(GME) :家電リサイクル法関連 廃太陽光ガラス(GMPV) :建設リサイクル法関連 廃建築ガラス(GMA):建設リサイクル法関連 廃蛍光灯(GMF):建設リサイクル法関連 廃棄ビン (GMB) : 容器包装リサイクル法関連 廃食器等 (GMT)
本プロジェクトの特徴
NEDOで開発した廃棄ガラスびん多用途高度リサイクル技術(ガラス再資源化商品の低温焼成を可能とし、CO2排出量を約42%削減)をベースとし、地球温暖化抑制につながる技術開発を目指す。
上記技術に基づき、各種廃ガラスのリサイクルを商品化レベルにもっていくための実証開発を行う。
ガラスリサイクルの全国的なサプライチェーンが構築でき、ガラスリサイクル商品の新市場構築にもつながる。
ブラウン管テレビのCRTファンネルガラスを活用し、放射線遮蔽セラミックスの開発も行い、東日本大震災対策にも貢献する。
本プロジェクトの開発内容
- 廃液晶ガラスに関する技術開発
廃液晶ガラスを加熱処理にて偏光板及びガラスを分離し、ケミカル処理によりガラスを洗浄・浄化する技術開発を行う。
また、その洗浄廃液に含まれるレアメタル等を回収する技術開発を行う。 - 廃自動車用ガラスに関する技術開発
- ガラス取り出し
廃自動車から効率的にガラスを取り外す方法の研究開発を行う。 - ガラス破砕
中間膜をいためずにガラスを窯に戻す事が可能なサイズに破砕できる破砕ロールを実証実験する。 - 中間膜剥離
中間膜とガラス片を分離した後、剝離されたガラス片を搬出する技術を開発する。
また、酸洗浄槽により黒セラプリントの剝離と銀線の回収を行う技術を開発する。 - 中間膜洗浄乾燥
中間膜表面に付着した剥離液の最適な乾燥方法を実証実験する。
- ガラス取り出し
- 廃ガラスの粉砕原料化加工技術
安定したセラミック製品を作るための最適な廃ガラスの粒度や廃ガラスと混ぜるその他原料との最適な組み合わせを実証実験する。- 物流容器(コンテナ)の開発
各種ガラスの収集運搬、保管、液処理で一環して利用が可能な物流容器(コンテナ)の研究開発を行う。
- 物流容器(コンテナ)の開発
- ガラス再資源化商品の開発
廃ガラスを原料に使用した建材や環境配慮型の機能性セラミックスの研究開発を行う。
本プロジェクトの主な設備投資
- ガラス破砕装置
- 中間膜剥離装置
- 乾式粉砕装置
- 解体装置
- 各種コンテナ
- 検査・測定器具
- その他
本プロジェクトのマイルストーン
平成24年度
廃液晶ガラスと廃自動車ガラス等の運搬・分離・分別・洗浄・原料化技術の確立
平成25年度
廃液晶ガラスと廃自動車ガラス等を原料にしたガラス再資源化商品の技術開発
平成26年度
廃液晶ガラスと廃自動車ガラス等を原料にしたガラス再資源化商品の改良と性能分析・評価
本プロジェクトのポスターセッション
- 2012年の10月1日,2日に京都で開催された国際協力シンポジウムにポスター出展いたしました。